自分自身の内面と過去に向き合って一週間ほど思考を続けてきてようやくそれが飽きてきたら、今度は未来に対しての深い絶望が襲ってきた。
もう働くことが怖い。これ以上苦しみを味わいたくない。日常生活すらまともに送れない。
働けない人間に生きていけるだけの収入は入って来ることはなく、残りの貯金が尽きたら死ぬしかない。
この社会では生活保護という制度が存在するが、生活保護になったら本当にただ生きるだけ、今まで身の回りに存在していた娯楽や嗜好品を全て捨てることになる。それが僕にとって生きるに値しない。
ならばもう死ぬしかない。生きていく手段はきっとあるのかもしれない。泥臭く這いつくばれば自分の身一つくらいどうにでもなる。
それすら今は何も考えられない。自分には何の能力もない。人と同じように毎日を過ごすこともできない。生きていく活力がない。
漠然としていた死の概念が急に明確になってきてしまった。
自殺に抵抗はなく、昔から自殺したいと望み続けてきていた。自殺というゴールを自分で定められたら、死ぬまでの残りの期間を自分らしく楽しく生きられたら、それはきっと自分の人生に生まれる幸せなのかもしれない。
やがていつかはどんな人間も死ぬ。楽しく幸せに生きてきた人間も、不幸に嘆く苦しい人生を歩んできた人間も、毎日奴隷のように働いて自分自身を押し殺して生きてきた人間も、どれだけ絶え間ない努力を重ねてきた人間も、必ず死ぬ。
貯金が尽きるまでもう暗い考えは捨て去ってしまって、尽きたときにその時ある選択肢で自分にとってベストなのが自殺だったら自殺すればれいい。
今すぐ自殺しても構わないが、せっかく生まれて生きて多少なりとも働いて貯金してきた以上、その手段はその時まで取っておく。考えたくなくても考えてしまうが、それでも大きな蓋をして心の奥に閉じ込める。
何も考えない、廃人のように、限られた時間の中でただひたすらに楽しいことだけを追いかける。
そんな人生もきっと素敵だと思う。